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日々のgdgd日記や、らくがきを描き散らかしている自由度の高いブログ。 擬人化や二次創作が多いので注意!!
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小咄更新。

ヒガタとランちゃんとジュンの話しです。
少し前の時間軸の話。

本文は追記から。

+ + + + + + + + + +
「はい、ランちゃん。」





【彼女が彼に触れるわけ】





あれは、いつの事だっただろうか。


たまたま仕事の依頼でこちらに来ていたジュンさんに紅い水晶の付いたネックレスを貰った。

「へっ?あの、」

私の答えも聞かず、テキパキと首に付けてくれるジュンさんに慌てているうちに、私の首元でキラキラと輝くそれは、普段こういうものを着けない私でもわかる。
絶対絶対すごい高価なものだ。

「ジュ、ジュンさん!!こんな高そうなもの頂けませんよ!」

なんだかいつもより重く感じる首元に涙目になりながらも(物理的には何も重くない。物理的には。)ジュンさんに訴えると、ニヨニヨした顔でまあまあと窘められる。

「実はこれね、この間依頼先の洞窟でたまたま見つけたの。で、知り合いに何の道具か聞いたらランちゃんにぴったりのものだったから、是非プレゼントしようと思ってね。」
「私に…ですか?」

私にぴったりなもの?
格闘系の技の威力でも上がるものだろうか?(それなら以前何個か頂いたんだけどなぁ)

「聞きたい?」

相変わらずニヨニヨしながら聞いてくるジュンさんに若干嫌な予感を感じながら、それでも好奇心に勝てず「聞きたいです。」と言えばそのニヨニヨ笑いをいっそう強くした。(ああ、やっぱり嫌な予感がする…)

「これはね、『シルフストーン』って言って、元はシルフカンパニーが開発してたんだけど、前のロケット団のごたごたで盗まれてお蔵入りになった幻の道具なのよ!」

きっと盗んだ後あの洞窟に隠したんでしょうねぇーなんて声が聞こえるがその言葉は私の上を素通りしていく。

「そそそ、そんなの余計に頂けませんよ!!っていうか、シルフカンパニーに返したほうがいいですって!!」

えーっと口を尖らせるジュンさんをほっておいて、ネックレスを外そうとするが、慣れないためがなかなか外れない。(ああ、普段オシャレをしない自分を恨む。)
そんな私の手を取り、また、まあまあと言いながらネックレスを付け直された。(ああ、後少しだったのに!!)(あれ?今なんかジュンさんの触れる手に違和感があったような…)

「話しは最後までお聞きなさいな。」
「いや、でも…。」
「この開発自体、色々と不備があって中止になったからね。いまさら見つかっても何の問題も無いわよ…多分。」
「多分ってジュンさん!」
「それに、言ったでしょ?あなたにピッタリだって。」
「だから何がですかぁー。」

思わずため息をつきながらそう言うと、紅い石の部分を触りながら心底楽しそうに

「つまり、これ着けてるとゴーストタイプに触ることが出来るのよ。」

そう言ってジュンさんは微笑んだ。

「ほら、ランちゃん、バリバリの物理攻撃タイプでしょ?何があったときにこれがあると安心じゃない?」


…確かに、私は特殊系を得意とする兄様と違って波動弾以外の使える技の殆どか物理攻撃のものだ。

心配…してくれてるんだと思う。

そこまで想ってくれているのならば、多少のことは目をつぶってこれを着けているのも悪くないかも知れない。

そう思うと、この首元も少し軽くなったような気がして、そっと紅い石に手をやった。


「それに、」

ジュンさんの心遣いに感無量になっていると、またさっきのニヨニヨ笑いをしながら

「これ着けてたら、ヒガタにも触り放題。」



ピシリと音をたてて時間が止まった気がした。



「なんであいつの名前が出てくるんですか!!」
「いやいや、だってねぇ~。」


―――前言撤回。
この人絶対楽しんでる。

ニヨニヨしながら楽しそうに言うジュンさんを横目に、やっぱりこんなもの取ってやる!!と再び首元に手をかけて外そうとする。

外そうと…


外そ…あれ?


「は、外れないぃぃ!?」

なんで!?とジュンさんを見ると、

「あ、それさっき外れないようにしたから。」

と、満面の笑みでそう言われて、さっき感じた違和感を思い出す。

懸命に外そうして、ジュンさんには悪いが、いっそのこと引きちぎってやろうかと力を入れるが全くの効果なし。
どうなってんのこれぇぇ!?

なんとか外そうと躍起になっている私を見ながら「いやー、やっぱナツメさんに教えてもらった技はすごいなぁ」と楽しそうな言葉は全力でスルーする。(なんでナツメさんが使える技がジュンさんも使えるんですか!って突っ込みは絶対意味を持たない)(相変わらずこの人は無茶苦茶だ…)

「じゃあ、私そろそろ帰るわ。」
「へ?あの、ちょっとぉぉ!!」

ネックレスから手を離し、顔を上げるとそこにはもうすでにジュンさんの姿は無く、
首元でキラキラと輝くあいつの瞳のような紅を見て今日一番のため息をついた。





と、まぁ、これが今から随分と前の話しで、今もなおこの紅は服の下でキラキラ輝いている。
そして―――、


「こんの、馬鹿人形ー!!」
「ぐっはぁ!!」


懲りずに毎回絡んでくるヒガタの腹に今日も綺麗にメガトンパンチを決める。
もはや、この風景も不本意ながら見慣れたものになってしまい、ため息をつくかわりに今しがたヒガタを殴り飛ばした手をパンパンと払った。

「いってぇーなぁ!!何すんだよぉ!!」

吹っ飛ばされた先でヒガタが吠えているが聞こえないふり。
そうすると、ぶつぶつと減らず口を叩きながらこっちに来るだろうから、とりあえず放り出されたヒガタの鞄だけは拾っておいておく。(ほら、やっぱりこっちに来た。)
ん。と鞄を差し出すと大人しく受け取って何語とも無かったかのように再び歩きだす。
それもまた見慣れた日常。

「そういやさ」
「なに?」
「いや、前から疑問に思ってたんだけどよー、なんでランは俺のこと殴れるわけ?」
「へ?」
「だってさ、俺はゴーストタイプだろ?で、お前は格闘タイプで、しかも物理攻撃ばっかでさ。普通お前の攻撃は俺には効かないんじゃねーのか?」
「あぁ、それは…」

続きを言おうとして、はたと止まってしまう。


(それにヒガタにも触りたい放題!!)


ジュンさんの言った言葉がなぜか思い出されて一気に顔に熱が集まるのが分かる。
いやいや、まてまて、
なんでここであの言葉を思い出すんだ。

「?どーしたんだ?」

どうしたっていうか…
急に黙り込んだ私の顔を覗き込むあいつの顔が近くて―――

「―――っ!!何でもないわよ!!バカ人形!!」

そう言ってヒガタの口のチャックを閉め思いきり蹴り飛ばし踵を反して歩きだす。(背後でくぐもったうめき声が聞こえた気がした。)

ジュンさんのバカ!!

ずんずん歩きながら数年前のジュンさんに心の中で悪態をつく。

ジュンさんが変なこと言うから私も…ってあれ?

冷静に考えればそんなに焦ることも、変に意識することもない。
このネックレスのことだって素直にジュンさんに貰ったアイテムだとヒガタに言えばよかったんだ。
なのに、
それなのに、なんだかジュンさんの言った言葉のせいで変な感じだ。
これじゃあまるで―――

言葉の続きを思い当たって、さっきよりもさらに顔が熱くなる。

「…うっそだぁ。」

服の下の紅のようになってるであろう顔を押さえ、とりあえずあいつにだけは、この顔を見られないように全力疾走で学校までを駆け抜けた。


さて、この紅のネックレス、効果は触れることだけか否か。


【彼女がに触れるわけ】
(うそだ、うそだ、うそだぁー!!)


***
ヒガタ→→→ランに見せかけたヒガタ→→→←ランが俺のジャスティス(^ω^)
でもヒガタは鈍いから気付かないよ!
デレツンカップルおいしいです^^
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